社交ダンス教室・ダンスサークルと若者について

社交ダンス教室・サークルと若者について|<ダンスサークルJ>

ダンス教室と若者について

さて、ここでは社交ダンス界の若者たちの現状について書いててみたいと思います。

日本の社交ダンスの現状

さて、社交ダンスというと、「イメージの一つに年配の方の踊り」があると思います。
ここまでHPをずーっと見てきた方には、ちょっとそのイメージが薄れたかもしれませんが、実際のところ日本における社交ダンス層の70%が50~70代の方たちではないでしょうか?

統計がないので正確な話ではないのですが、ざっくりと私が思っている割合です。

  • 70% 50~70代
  • 20% 学連を含めた競技ダンサー
  • 10% ジュニア、ヤングサークルなど

正直、これぐらいの感じだと思います。
関東一円のヤングサークルは全員あつめても1000名以下ぐらいでしょう。

外国などでは、若い人が中心のスポーツとなっている国もありますし、
日本でもサルサ、アルゼンチンタンゴなどのペアダンスの主要層は30~40代だと思われます。
さて、どうしてこうなってしまっているのでしょう?

日本の社交ダンスの歴史

これもまた詳しい資料にもとづいているわけではありませんが、
大雑把にいうと、文明開化、明治の鹿鳴館の時代に社交ダンスが初めて日本に入りました。

一部の政治家や外交官たちには必須の教養になっていったのかもしれませんが、
まだ一般庶民にとっては縁のないものだったと思われます。

その後、第2次世界大戦の敗戦を経て、アメリカの進駐軍がやって来ました。
この時に社交ダンスが世間に広まっていったようです。
進駐軍向けに、あちこちにダンスホールができたと聞いています。

その後、社交ダンスは何度か世間で大ブームを引き起こしたそうです。
現在5~70前後の方たちは、若い頃に社交ダンスブームを体験しているのです。

  • 仕事が終わったら踊りに行く?
  • ダンパがあるから、踊りに行こう
    日常の中に、沢山ダンスと関わる機会があったようなのです。

その後、どういうわけか社交ダンスの風評は下がっていきます。

  • 男女がくっついて破廉恥じゃないか?
  • 費用がめちゃくちゃ高い
  • 年配の人ばかり

コレには、社交ダンスの教室の方針がひとつの原因にあるのではないかと思っています。

社交ダンス教室の歴史

さて、進駐軍から始まった日本の社交ダンス教室は、高度経済成長とともに大きな発展を遂げていきます。都内であれば、駅前に1つはダンス教室があると言っても過言ではありません。
しかしその発展は、よりお金をもったお客様を主要顧客層にする、という方向でした。
もちろんコレは、商売としては一つの方向性であるので、何か問題があるわけではないのですが・・・この方向性が、今現在のダンス界の苦境をつくっている、と私は思っています。

個人レッスンメインのレッスン、高価なダンスドレスに、教室主催の豪華ダンスパーティー、、、
バブル時代までは、本当に派手な世界だったと聞いています。

ダンス教室は、お金の出しにくい若者より、よりお金の使える年配の女性のお客様をメイン顧客として発展してきたのです。
そして今日までそれは続いています。

しかし・・・ バブルが崩壊したあとは、日本の経済は右肩下がり。
年々、お客様の財布の紐は閉まるばかりで、ついには閉鎖する教室も出始めました。
ダンス教室も、新たな方向性を考えなくてはいけない時期が来ているのかもしれません。

ダンスサークルの歴史

さて、それではダンスサークルはどのようにして発展してきだのでしょうか?

社交ダンス教室はお金持ちの方々をメイン顧客にしてきましたが、もちろんリーズナブルにダンスをやりたいと思う方々も多かったでしょう。

しかし、ダンス教室ではグループレッスンをあまり行いませんでした。
まあ、極論を言ってしまえば、ダンス教室からすれば効率が悪いレッスンなのですね。
広い場所も必要で、男女が同数いないと開催が難しいレッスン形態だからです。

そしてダンスブームの折に、各地でダンスサークルが出来たことは想像に難くありません。
有志で集まってダンスのサークルを作って、楽しもう。
リーズナブルなミニダンスパーティーを開いて楽しもう。
また、初期のステップを覚えるのに細かい個人レッスンはあまり必要ない、という事もあると思います。

そういった流れの一つにヤングサークル界もあったのでしょう。
しかしながら、ヤングサークル界は大きな発展はなく、どちらかというと細々と続いていたのがここ十数年の現状でした。
しかし、ここ数年、初心者を対象とするサークルが増え、発展するにつれてヤングサークル界に活気が出てきています。

ちなみに、学連(大学の社交ダンス部)で踊っていた方たちの80~90%ぐらいは、卒業したあとは踊っていません。仕事や環境の変化などで、続けるのが難しいのでしょう。
また、踊る目的が競技会しかないことも問題の一つだと思われます。

 若者が社交ダンスを始めるには?

ここまで知ってもらえると、どうして社交ダンスをする若者が少ないのかが理解できますよね?
そうなんです。日本の社交ダンス界は、若者のために作られていなかったのです。

興味を持って、ダンス教室の門を叩いたけども、すぐに辞めてしまう人が沢山いたと思います。

ところが面白いことに、社交ダンスの教室からすると、若者に対しては全く違うように感じていたようです。

これは昔、私が聞いた話ですが、ある社交ダンス教室が広告を出したそうです。
掲載先は、「ケイコとマナブ」などの、稽古・趣味の雑誌ですね。

そうすると、比較的若い方たちが沢山、見学・体験に来たそうです。
しかし結果は、入会しない、続かない、、、
「冷やかしばっかりだ」
そのようにそのダンス教室のオーナーは嘆いたそうです。

私はこの話を聞いたときに、これを「冷やかし」と感じてしまう経営者に問題があるのでは?と、非常に強く思いました。
ダンス教室のシステムは、若者などに向けて作っていないのですから、当然若者がやって来て続けたいと思える環境にあるとは、とうてい思えません。
広告のターゲット、そしてターゲットに対するサービスの内容が全然マッチしてないわけです。それに気がつかない社交ダンス界の先生達が沢山いるのです。

話がそれました。
私は、若者が社交ダンスを始める際には、グループレッスンをおすすめします。
しかもできるだけ、年齢層が近いグループです。
サークルでも良いですし、教室のグループレッスンでも構いません。

一人でダンス教室の個人レッスンを受けてダンスを上達するには、相当な金額が必要です。
私の経験から、特にスポーツ経験などが沢山あるわけでない若者が、ダンスを誰とでも踊れるようになるには、大体500時間必要だと考えています。

例えばサークルで換算すると、
500時間 = 週2日×2時間×125週 = およそ2年半 です。

さて、これをダンス教室の個人レッスンに換算すると、いったいいくらになるでしょうか?

ダンス教室の個人レッスン最安値レベルの、3000円/30分のレッスンだとしても、
500時間/30分×3000円 = 300万円!!

それにかかる必要な年数も、週2回通ったとしても
500時間/30分/週2日=500週 = 約10年!!
です。

もちろん教室の個人レッスンは、プロの先生とつきっきりなので、上達の度合いが違うのはあるでしょう。自分で練習する部分もあるかと思います。
実際は、これの半分ぐらいで済むかもしれません。

しかしそれを勘案しても、若者が個人レッスンだけで上達するのは、ちょっと現実的な金額と時間じゃありませんね。

私の持論ですが、ダンスを始めた初期、特にステップを覚えることに関しては、個人レッスンを受ける必要はほとんどありません。
必要になるのは、ある程度踊れるようになり、何か目標が出始めてきた時期からだと思います。
(もちろん場合によっては初期から個人レッスンを受けてもいいと思います。例えばグループレッスンについていけない場合や、もっと深く知りたいと思う気持ちが強い場合などですね。)

事実、学連(大学の社交ダンス部)においては、1年生の頃は、一切教室の個人レッスンを受けることはありません。
先輩にステップをならい、非常に短いベーシックステップだけをひたすら踊り、基礎練を繰り返すのみです。
しかし、その基礎練習の繰り返し、土台を作った上に個人レッスンを受けると、彼らはあっという間に上達します。

以上のことから、若者が社交ダンスを始めるにあたっては、グループでのレッスンをおすすめします。
グループであれば、踊る相手や、わからないことを気軽に聞ける人もいるでしょう。

サークルJを企画した最初の理由も、ダンス教室に若いカップルが社交ダンスを習いに来たところからでした。
彼らにどうやったらダンスを長く続けてもらえるだろう、と考えた結論がサークルと言う形式だったのです。
(残念ながら、そのカップルは数回来てやめてしまいましたが(涙))

今後の社交ダンス界の方向性

少なくとも、今後全部のダンス教室が今までと同じやり方を続けることはできないでしょう。
確実に社交ダンス界は先細っています。これは社交ダンス界に限らず日本全体に言えることかもしれませんが。

実際のところ、プロのダンス選手は2010年頃をピークに減少がはじまっており、
ダンス教室も後を追うように閉鎖が出始めています。
新たな方向性を開拓し、若い人から年配の方まで、幅広く取り込んで行かないと、
難しいのではないか?と思っています。

そして、サークルも変わっていく必要があると思っています。
サークルのほとんどは、メンバー有志の自主運営。
これは縛りがないという点ではいいですが、有志のやる気次第で、運営が安定しにくいところが問題です。
(人数の集まりやすい都心部は安定しますが、それ以外では運営が非常に大変)
また、目先のことだけになりやすく、ダンス界全体を見据えた行動などが起きにくいことも問題でしょう。

BallroomPassionという若者向けイベントを開催したのも、今後のダンス界の方向の一つになれば良いと思っております。
というのも、若者の社交ダンス界においては、目指せる選択肢が競技ダンスしかありませんでした。

しかし、この競技ダンスは、非常に時間とお金と気力が必要です。
もちろん、時間もお金もかけるので、飛躍的に上達します。
が、社会人の方々全員に勧めるには、あまり現実的でない選択肢です。
事実サークルJにおいても、競技会を続けていける人は、ごくわずかです。

BallroomPassionは、フォーメーション(グループダンス)やペアデモンストレーションなど、発表の場としてのイベントです。
自分たちのペースで、練習を積み重ねてきたものを発表する舞台があることは、
若手社交ダンサーたちにとって、よい目標になるのではないでしょうか?

当サークルでは、既存のサークルの枠組みにとらわれず、
「若い人に社交ダンスをもっと知ってもらおう」
という理念に基づいて、積極的に活動をしています。
ぜひ、貴方もダンスサークルJで、社交ダンスを楽しんで下さい。

2012/9 サークル講師 滝川

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