レスリングに見るスポーツ競技のあり方と社交ダンス（競技ダンス）の在り方

ちょっと前の話になりますが、オリンピックでレスリングが正式種目から外された、という話題は覚えているでしょうか？

オリンピックの歴史と共にずっと採用種目だったレスリングが、2020年のオリンピック採用種目から外されてしまったニュースがつい先日ありました。

その後、レスリングは、そのほかの正式種目採用を目指すスポーツと共に、残り1枠の正式採用を目指して活動をしています。そして現在、野球＆ソフトボール、スカッシュと共に、最終選考で競うことになっていますが、目下最有力候補に挙げられています。

正直このことは、驚嘆すべきことだと私は思っています。

オリンピックの正式種目から外される、ましてやオリンピックの元祖であるようなレスリングが外されるということは、かなり何か問題があるのだろうと思います。

たとえば、

• 人気がない（視聴率がとれない）
• 不祥事があった
• 組織に問題がある

といった事がかなり積み重ならないと起きないことだと思います。

実際のところ、オリンピックの影響はすさまじいものがあるでしょうから、正式種目から外れるということは、マイナー系のスポーツにとっては死活問題に直結するので、あまりひどい状態にはなれないわけです。

IOCにもっとこうしなさい、と言われればやらざるを得ないのです。

レスリングに関しては、結果の報道だけはされていても、実際どのような問題があったのかまで掘り下げている記事があまりなかったのですが、こちらの記事は多少掘り下げていました。

改革を旗印に揚げたレスリング、敗者復活戦（中央日報）

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（一部引用）

このような改革が出来る組織というのは本当に少ないと思います。

もちろん、自分たちの死活問題なので当然なのですが、組織を動かしているのは多くの場合はOBの人たち。

普通は選手たちの死活問題より、組織間の問題で動かない、動けないことの方がおおと思います。

何を言いたいかというと、ダンス界も見習わなくてはいけないでしょう、ということです。

ダンス界もオリンピックを目指して動いていた時期もありましたが、結局何もできないまま終わってしまいました。

今でもオリンピックに向けて動いていると言っていたり、まだ採用されると信じている方もいるようですが、実際はもう当分有りえません。

競技ダンスは、オリンピック放映に向いていないと、IOCの人たちに知られてしまったからです。

問題は、前述したものです。　決まりきった順位（ドラマ性のなさ）、不明瞭な採点、組織の分裂、、、

ほぼ何一つ解決できないまま、オリンピック種目の候補からさえも外れてしまいました。

（もちろん、WDSFなどがオリンピックなどに向けて色々と動いてきた事実は多分にありますが）

ダンスは芸術だと、いうのもわかります。

でも、オリンピックに採用されるのはスポーツです。

しかも、視聴者が楽しめるスポーツです。

どこまで割り切って、どこまで芸術とするのか、競技自体の定義から再度見直して、改めて挑戦しないと競技ダンスがオリンピックに採用されることはないでしょう。