サークルとグループレッスンの違い

社交ダンスの世界では、ダンスを習う方法は色々とあります。
先生とマンツーマンの個人レッスン、サークルでのグループレッスン、お教室でのグループレッスンなどなど。

さて、みなさんはこのグループレッスンとサークルのレッスンと同じものだと思っていますか?
よくこの二つは区別なく使われることがあるのですが、私は明確に違う物だと思っております。(特に社交ダンスの先生は、グループレッスンの事をサークル、ということが大変多く混同しやすい原因となっています)
そして、この二つの違いを良く考えることが、グループでのレッスンや、運営を上手く行うためのポイントだとも思います。

●サークル
毎週のダンスレッスンを中心に、合宿・イベントなど、レッスン以外の活動もしているグループ。社交ダンスの場合は、運営をメンバーで共同で行っているサークルが多いですが、個人や先生、教室などが主催しているサークルもあります。

●グループレッスン
ダンスのレッスンのみのグループです。基本的に他の活動は行いません。ですので技術の向上という部分がメインになります。多くの場合は、「ダンス教室で行われるグループレッスン」という認識で良いと思います。

これは世間一般での広く言われている認識というわけではありませんが、私は以上のように定義をしています。
よく、「サークル=非営利、もしくは規則が緩い」、といった形で考えている方がいらっしゃいますが、ちょっと違うと思います。

たとえば、メンバーによる複数名の運営で非営利的な運営方針だとしても、特に税法上それは非営利団体と呼ばれるわけではないのです。
非営利団体と言われるのは、病院や学校などだと思ってもらって間違えではないと思います。
金銭が発生している団体であれば、個人もしくは団体(法人)として税金を納めなくてはいけないものとして扱われます。良く聞くNPO法人というのも、無報酬の完全ボランティア団体ではありません。

ですので、本来は一般的なサークルなどでも経理を行い、余剰金(利益)が発生している場合は税金を納める必要があるのです。

ですので、税務署から見れば、教室のグループレッスンも、有志が運営するサークルも違いがないのですね。

ちょっと話がそれました。
要するに、私が言いたいのは、サークルといいつつグループレッスンのやり方をしていたら人は集まらないし、その逆もしかり、だということです。

グループレッスンの一番代表的なものは、フィットネスジムのグループレッスンですね。
フィットネスジムは、生徒さんを集めるためには、莫大な額の広告費をかけているはずです。そうしないと生徒さんが集まりません。
一人で気軽に始められるものは、気軽にやめることもできるので、生徒数を維持するのは、なかなか大変です。

そもそもグループレッスンで生徒さんを集めるためには、相当な数の愛好家が世間にいることが必要です。
ですので、この様な形態でのレッスンが広まるためには、誰しもが簡単に始められて、一人でも気軽にできるような状態が必要なのですね。
正直、社交ダンスとグループレッスンはあまり相性が良くありません。
(社交ダンスは種目が多く、技術が必要で、男女の数が同数必要で、広い場所が必要です)

最近は、BIG DANCEという一人でも出来るフィットネス用に向けた社交ダンスプログラムが出来ています。
このアイデアは素晴らしいと思いますね。学校教育にもこのBIG DANCEを売り込めばよかったとおもいます。権利の関係などもあると思いますが、こういった発想が社交ダンスを普及させるのに大事だと思います。
こんなの社交ダンスではない?? そーゆう頭の固い考えが、今の社交ダンス界の斜陽を作っているのだと思いますね。

逆にサークルという形態は、社交ダンスと非常にマッチします。
そもそもが相手がいないと踊れない社交ダンスは、男女の数が同数であることが求められます。
ですのでグループで行うときは、常に男女の数が均等化するように普段からの運営が必要になるわけです。

傾向的に、どちらかというと男性は、レッスンだけの物にいきたがりません。女性の方が習い事やレッスンが好きですね。
ところがグループでのレッスンに、いろんなイベントが混ざってくるとまた様相が一変します。単なるレッスンの場、自己研鑽の場から、みんなの集まるコミュニティーになるのです。
ですから、良いサークルは活気がありますし、男女ともに人がどんどん集まってきます。
ダンスを習うところでありながら、人と人のコミュニケーションを中心に作り上げているグループになっているわけです。




この様な違いをよく運営者は理解する必要があると思います。
たとえば、一般的な方法で運営していたダンスサークルが、ダンス教室の運営に組み込まれたとたん、人が全然集まらなくなる。
また、ダンス教室でサークルを始めようとしたけども、なかなか人が集まらない。
逆に、有志が公民館でサークルを始めてみたけども、なかなか人が集まらない。
こういった場合に、なにか根本的な方針が間違っている可能性があると思います。

グループレッスンで大事なことは、宣伝力と先生の力量。

サークルで大事なことは、サークル内の雰囲気や企画内容。

サークルとグループレッスンを運営するに当たっては、この様なことが大事なのではないかと思います。

 

投稿者プロフィール

滝川 洋信
滝川 洋信
大学生の時に社交ダンス部(競技ダンス部)で社交ダンスを始めました。社交ダンス講師歴20年、教えてきた生徒の数は1500名を超えました。
現在、池袋と川口で社交ダンス教室を運営し、若者向け社交ダンス<ダンスサークルJ>や<ダンスサークルアクト>を開催しています。
合同会社タキガワダンススクール代表。