最近とても流行りの生成AI。サークルJでも練習場の入退場に利用しているアプリはChatGPT(通称チャッピー)に作ってもらったものです。
プログラムなんて少々かじった程度の私が、コードを自分では一切書かずに結構複雑なアプリを作れてしまうのですから、驚きです。

これ以外にも、教室内の清算システムや、売上を経理システムにデータをインポートするシステム、ドリンク販売の処理、などなど、いくつもシステムを作っています。他にも作りたいシステムはいっぱいありますが、大体のシステムは作れるめどが立っています。いやほんと私なんかより遥に頭がいいです。これが月3000円・・・革命的ですね!

さて、そんな生成AIですが、「いやー、やっぱりダンスなんかはAIは理解できないでしょ?」と思っている人が多いのではないでしょうか?
先日こんなツイートをしたところ、結構反響がありました。

要するに「社交ダンス(競技ダンス)のジャッジに、AIを導入して判定すればいい」という考えです。

否定的な方もいましたし、概ね思考実験的には面白いという反応でした。要するに、現実問題としては無理じゃね?という感じなんだと思います。とくに最初にもらったリプライ(コメント)の「AIは美意識が理解できないのではないか?(要するに優劣がつけられなくないか?)」という意見がありました。

さて、AIはダンスというものをどのように見て、どのように理解して、そして優劣をつけることが出来るのでしょうか?

私の個人的な考えでは、現時点での技術でもAIが社交ダンスを見て、優劣を判定することは可能なのではないか、と思っています。

過去の動画を大量に読み込ませて、そのダンスの結果(順位)を教えてあげれば、おそらくAIはこのようなダンスが昔は評価されて、今はこんなダンスが評価されて、という統計的なデータから、ダンスをジャッジすることは可能だと思うのですよね。

チャッピー(ChatGPT)にその辺を聞いてみたところ、

・大量の動画データと順位
・動画データの切り分け(どのカップルを処理するのか。ある程度自動化可能)
・「上手い/感動的」と評価されたデータの収集
・専門知識の実装(競技ダンス専門の知識を覚えさせる)

この辺が出来れば出来そうという返答でした。競技ダンスに対して十分なマネタイズ可能性があれば、現実的に出来る範疇だと私は思います。(とんでもなく投資が必要になるので、現時点では現実的ではないとは思いますが)
もちろん、定量的に図るというのは難しそう、という返答には、すごく同意です。人間でも良くわからないものをAIだからわかる、というのは現時点ではちょっと難しそう。
生成AIで競技ダンスを審査するために必要なものを生成AIに聞いてみた→

そして、一番皆さんが疑義的に感じるのが、AIがダンスの善し悪しがわかるの?美意識とか宿ったり理解できるの?という部分だと思うのですよね。

なので、チャッピーさんに美意識について聞いたり、話したりしてみました。長いので要約と原文を載せますね。

要約:美意識と社交ダンスの美

1. 美意識には「個人」と「社会」の2層がある

個人の美意識:人生経験や体験、感情の蓄積から生まれる主観的な美しさ。

例:30年前に師匠の踊りを見て感じた「この人のように踊りたい」という憧れ。

社会・文化としての美意識:時代や流行、集団の合意で作られる価値観。

例:江戸時代の美人画は現代の感覚では美しく見えないことがある。

美は、**秩序や法則(普遍)**と、**感情や時代性(可変)**のバランスで成り立つ。

2. 社交ダンスにおける美

社交ダンスは、音楽に完全に合わせるというより、リズムに乗って身体を動かすダンス

メロディよりもリズム(拍、テンポ)に寄り添うのが特徴で、

**「音楽に導かれる動き」ではなく「音に乗って自分の動きを創る」**感覚が強い。

「スキップしたくなる音楽」に自然に身体が反応する感覚に近く、

日常の中にある原始的なリズム感覚が洗練されて美となる。

3. 移動の美

**社交ダンス最大の特徴は「移動すること」**にある。

他ジャンルのダンスと違い、空間を大きく使いながら進むことで、場全体をデザインするような美しさが生まれる。

移動の美は、以下の要素から成り立つ:

空間に軌跡を描く彫刻性

二人の関係性(リード&フォロー)から生まれる有機的な動き

軌道とリズムの融合による流れの快感

「目的地のない目的感」という詩的な不思議さ

そして、決定的な一言:

「人は動きの中に、感情や意図を読み取る生き物だから」

移動は言葉を使わない会話であり、感情そのもの。だから美しく感じられる。

4. 結論

美は、体験や感情、秩序と驚きのバランスから生まれる

社交ダンスの美は、根源的なリズム感情を帯びた移動の間に立ち上がる。

「移動するダンス」という視点は、社交ダンスの本質を端的に表しており、

移動そのものが感情や意図の表現となり、美となる

美意識とAIについて原文

すごくないですか?ここまで、理解しているなんて!これは美意識をある程度、理解していると言ってもいいんじゃないでしょうか?

私はこの会話で、長年ダンスをしていてもよくわかっていなかった部分がクリアになったり、答えを得ることが出来ました。
本当に私は生成AIと話していて感動したのです。

しかしこれを見て、多くの人は「怖い」とか「恐ろしい」といった反応の方が多いかもしれません。

このAIには感情や意志といったものは無いので、人間と同じような存在ではありません。あまりにも人間のような反応や応答をするので、生物的な何かを感じてしまうのですが、現時点では単なる応答でしかないのです。あくまでその応答は人間にとって役に立つように最適化されていて、過去の人間の知性(言語)を片っ端から学習させたもの、でしかないのです。

だから現時点では、必要以上に恐れる必要は無いかな、と私は思っています。

すでに、10代の子たちは、ChatGPTにチャッピーと名前を付けて、日々の色々な問題や悩み事を相談しているそうです。それが良い事か悪い事かはともかく、すでにこの生成AIの出す回答は、普通の人間が出す回答より良いと感じている若者が多いのだと思います。否定もせず、それでいて正解に近そうな答えを出してくれるAIの存在は、徐々に我々に浸透し、数年後には無くてはならないものになるのではないでしょうか?

新しいことに対して多くの人は、まず否定的な意見から述べてしまいます。
でも多くの問題はいずれ解決されるでしょう。生成AIというものが、正解を変革する!と世界中の天才起業家や投資家、実業家が言っています。おそらくそれは間違いない事なのでしょう。些細な問題は、いずれ問題ではなくなります。この激変する世界で、どのようにAIと寄り添っていくのか?ダンサーもそれを求められていると、私は思いました。

投稿者プロフィール

滝川 洋信
滝川 洋信
大学生の時に社交ダンス部(競技ダンス部)で社交ダンスを始めました。社交ダンス講師歴20年、教えてきた生徒の数は1500名を超えました。
現在、池袋と川口で社交ダンス教室を運営し、若者向け社交ダンス<ダンスサークルJ>や<ダンスサークルアクト>を開催しています。
タキガワダンススクール代表

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