社交ダンス漫画「ボールルームへようこそ」の裏舞台を解説

社交ダンス漫画「ボールルームへようこそ」の裏舞台解説

社交ダンス漫画「ボールルームへようこそ」の裏舞台解説 目次

ボールルームへようこそ

作者:竹内 友
2013年現在、月刊マガジン連載中
単行本1~5巻 発売中(2013/10現在)

漫画業界ではめずらしいボールルーム(社交ダンス)漫画。
2011年12月号の月刊マガジンに連載されるや否や、瞬く間に話題になる。
「このマンガがすごい! 2013」の男性編にて第9位のランクイン。
"2013年「漫画大賞」第2位!"
社交ダンス界の関係者はもとより、ダンスにまったく関係のない人々にも大きな話題になっています。

ボールルームへようこそ2巻 ボールルームへようこそ2巻

論より証拠なのが、このツイッターやブロガーなどの感想です。
とにかく、「面白い!」という言葉が並んでいます。
おそらく、このほとんどの方たちが、ボールルーム(社交ダンス)をやったことと思うのですが、そういった人たちからこれだけの反響があることは、すごいことだと思います。

とにかく最初に目が行くのがその画力!!
私も始めて見た瞬間に、「これはかなり期待できる!!」とピンと来ました。
物語はよくある王道ストーリーで始まり(さえない主人公が自分を変えたいとダンスを始める)、かつ現実を知っているとありえない展開(笑)です。
が、その画力で読者をぐいぐいと社交ダンス(競技ダンス)の世界へ引き込んできます。

なんと恐ろしいことに、この作者 「竹内 友」さんは、これが初連載。
この画力から伝わるボールルームの印象は、あらゆる人の社交ダンスに対する偏見・誤解を拭い去ってくれるのではないかと思うくらいです。
末恐ろしい新人さんです!!
ぜひこれからも頑張ってほしいですね。
画像の説明

あらすじ、登場人物

登場人物

富士田 多々良・・・主人公。何の変哲もないダメ中学生。ひょんなことから社交ダンス(競技ダンス)をはじめる
兵藤 清春・・・天才アマチュアチャンピオン。雫のリーダー。多々良のライバル、、、には程遠い
花岡 雫・・・清春のパートナー。多々良の憧れの人。
仙谷 要・・・プロラテン&10ダンスの日本チャンピオン。適当な性格が災いして、多々良がダンスを始めるきっかけとなる。ダンスは凄い。

1巻

難の目標もなく日々を過ごしていた中学生の主人公 富士田 多々良。
ある日、不良に絡まれていたところをプロダンサー(全日本チャンピオン)の仙石要に連れ去られる。
連れて行かれた先はなんと社交ダンス教室。そこで待ち受けていたのは・・・

2巻

気が付くとなぜか競技に出場していた多々良。
初めてのフロアの感触は・・・
周りのライバルたちにも触発され、あっという間に社交ダンス(競技ダンス)にのめりこむ多々良。しかし、天才と言われるまわりの人たちに比べ自分の踊りの未熟加減にも悩みつつ・・・
そんな多々良にもついにパートナーが出来る。

3巻

右も左もわからぬまま、大会に出る多々良。
しかし、そのひたすら努力する成果が徐々に発揮されてくる。
天才ダンサー賀寿との一騎打ちの行方は・・・

4巻

クイックステップだけは負けない!
男の意地をかけた激闘の末、大会は終了へ
パートナー解消をかけた順位の結果は、、、
各々の未熟さを知ったダンサーたちは、何を思って会場を後にしたのだろうか?

5巻

高校生になった多々良。
どうしたらしずくと同じ舞台で踊れるのかを、日々悩む毎日。
そんなある日、仙石プロから、「試合に出る」とのメール。
そこで見た仙石プロは、まるで別世界の踊りをしていた。
「自分はどうしたらいいのか?」
そもそもパートナーがいなくては、大会にも出ることもままならず。
そんな悶々とした気持ちを、練習にぶつける毎日。
「早く、、上手くなりたい!」

6巻

思わぬ形で、初めてのカップル結成。
しかし、カップルでの練習に苦戦の毎日。
リードとは?フォローとはなんだろう?
初の正式カップルでの出場大会でも、悩み続ける多々良。
カップルってどうすれば上手く踊れるのだろう?

試し読み

試し読みが出来るサイトがありました。
<講談社 コミックプラス>

作者プロフィール

作者:竹内 友 (作者インタビュー)
プロフィール: 2011年 月刊少年マガジンにてデビュー作「ボールルームへようこそ」連載開始。学生時代は、武蔵野美術大学にて競技ダンス部に所属。ダンスの知識をフルに生かした作画は、誰もが目を引きます。

武蔵野美術大学競技ダンス部HP

ボールルームへようこそ 裏舞台解説

ボールルームダンスを知らない方には、よくわからないことも作中には出てきてると思います。
ここでは、現役の競技ダンサー、そしてボールルーム業界に長く携わってきた私から見た「ボールルームへようこそ」の裏舞台、そして専門用語の解説などをしたいと思います。
社交ダンスを知らない方も、これを読めば<ボールルームへようこそ>を120%楽しめるようになると思います。

ボールルームダンス

もっと正確に言うと、インターナショナルスタイル ボールルームダンスといわれます。
イギリス発祥で、宮廷舞踏から発展してきました。
日本ではあまり踊られませんが、アメリカンボールルームというものもあります。
種目数が多く、競技ダンスやダンススポーツというカテゴリでは10種目もの種目があります。
日本では、<社交ダンス>、もしくは<ソシアルダンス>という名称で呼ばれます。
競技会方式で踊るものが、<競技ダンス><ダンススポーツ>と呼ばれます。

作中では、このインターナショナルスタイルのボールルームを前提に、競技ダンスの模様をメインに描かれています。

ダンス教室

ご存知でしょうか?実は日本には、ものすごい数の社交ダンス教室があるんです。
おそらく世界でもNo1レベルに多いのではないのでしょうか?
日本は社交ダンス大国なのです。
都内の駅前には、大体1つ以上の教室があるものです。
メッカの池袋周辺では、大小あわせて20件近くあると思います。

実際のところ、社交ダンスの主要構成層は60歳以上ですが、学連(学生競技ダンス連盟)といわれる大学生の部活や、当サークルのように社会人に向けたヤングサークル、最近は子供のジュニアクラスなどもあり、子供から年配の方まで幅広く踊っています。

基本的には、ダンス教室では、マンツーマンの個人レッスンがメインのことが多いのですが、近年はグループレッスンなども沢山ありますので、リーズナブルにレッスンを受けることが出来ます。

ちなみに、作中に出てくる「小笠原ダンス教室」という教室は実際に存在しています。
作者の方とどういう関係があるのかは詳しく知りませんが、実際のダンス業界に関係するものが、ちょくちょく作中にでてくるのが、マニア心をくすぐられるところです。

そして、もし仙石選手が実際に存在したとしたら、、、
忙しくてたぶん主人公などは構ってもらえなかったことでしょう(笑)
普通、日本のチャンピオンクラスになると、朝から晩までレッスンで埋まっていたり、デモンストレーションや海外への留学などで、寝る間も惜しむような状態です。
暇そうな仙石選手は、どうやって収入を得ているのでしょうかねえ~(笑)

※追記 仙石選手はパートナーさんと喧嘩をして、仕事をしていない暇な時期だったそうです(笑)

スタンダード、ラテン

社交ダンスにはおよそ10種目のダンスがあります。
その10種目は、大きく分けるとラテンとスタンダードに分けられます。

スタンダード
画像の説明

ラテン
画像の説明

見てわかるように、スタンダードはクラシックな感じの衣装で、ラテンは露出もかなり高く派手な感じです。

スタンダードは組んだまま踊るため、自由度は下がりますが、滑らかで美しい動きなどを追求していきます。「モダン」という名称で言われる場合もあります。

ラテンは、ある程度自由に動け、二人が離れて踊ることも許されます。
すばやい動きや緩急、表現などが重視され、振り付けも非常に複雑です。近年はアクロバットな動きも取り入れることも多く、運動量も半端ではありません。

作中では、仙石選手が、ラテン・スタンダードの両方(テンダンサー、10ダンサーと呼ばれます)
清春君、賀寿君も、スタンダード・ラテンの両方。
多々良君は、スタンダードダンサーですね。

プロ、アマチュア

競技ダンスの世界では、競技カテゴリとしてプロとアマチュアに分かれています。

日本ではアマチュアの競技会に出ている人は、普通は社会人や学生、そして会社を引退した年配のの方々です。
外国の場合、アマチュア選手のレベルが高いことが多いので、トップクラスのアマチュアがプロよりレベルが上なこともしばしばですが、日本の場合は、総じてプロ>アマチュアというレベルです。
しかし最近は、小さなころから始めてきたジュニア選手も活躍しており、アマチュアからプロに転向して、大活躍する選手も多く出てきています。

作中の兵頭君や賀寿君は、このジュニア出身のアマチュア トップダンサーという設定のようです。

プロの競技会に出るために、特別な資格や条件などが必要なわけではありません。
プロのノービスクラスという競技会に出場して、条件を満たせば(決勝戦に残るなど)、晴れてプロの選手になれます。

また、競技会に出場していなくても、ダンス教師として活動している人もプロと呼ぶ場合もあります。

競技会

社交ダンスの競技会は、普通、競技ダンス(ダンススポーツ)と呼ばれます。
おおきく分けて2種類スタンダードとラテンがあり、それぞれに5種目ずつ合計10種類があります

両種目を踊る選手を10ダンサー(テンダンサー)と呼びますが、実際両方の種目をハイレベルで踊れる選手は、現在非常に少ないです。
プロ・アマ選手の大半が、どちらかの種目を専門に踊っています。
競技ダンスの種目が余りにも多いため、全部の種目の技量を上げるのが大変なためだと思われます。
(衣装や踊り方も違うので、習得にお金も時間も倍かかります)

ラテンの大会、スタンダードの大会、ごくまれに両方の10ダンスの大会があり、それぞれプロ部門、アマチュア部門にわかれています。
さらにそれぞれにクラスが設定されており、自分のクラスに合わせた大会に出場します。

競技会自体は、実は毎週のようにあちこちで行われています。
日曜日の電車の中で、髪の毛をカチカチにセットして、でっかいカバンやキャリーバックを運んでいる男女を見たことがありませんか?
それは、間違いなく競技ダンサーです(笑)
姿勢もやたらと良いと思います。

ブラックプール ブラックプール

大きな大会になると、1000カップル近くがエントリーするような大会もあります。
最近まで、NHKで放送されていた、「日本インターナショナル選手権」という大会は、日本でも最大規模の大会です。毎年、日本武道館で開催されています。
無料券なども配られていますので、ぜひ見に行ってみてはいかがでしょうか?
(ダンスビューやダンスファンという雑誌に、無料招待の応募が掲載されていたと思います)

作中(2~3巻)の試合は、ミニ競技会という設定のようですが、1巻の最初に出てくるブラックプールという大会は、世界で最も権威のある大会です。
毎年イギリスで開催され、世界中の選手がここに集まり、世界一を目指して踊ります。

残念ながら日本人の選手でブラックプールの過去最高は、第3位。
日本人は世界的にあまり活躍できている位置にはありません。
現在では日本人最高位がベスト24に届くか届かないかぐらいの成績ですので、もし多々良君がここで優勝するようなことがこの先描かれるのであれば、いったいどんな展開でそうなるのか楽しみですね。

ヒートってなに?

作中に、ちょっとだけ解説が乗っていましたが、普通の人は何のことだかイマイチわからないでしょう。

競技会では多いと何百人もの選手が出てきます。これを予選から決勝戦までやって順位を決めるのですが、1カップルずつじっくりと審査していく時間はありません。そのため予選のうちは、ヒートというグループに分けて審査をします。

たとえば、1次予選100人の選手が出場するとすると、10組ずつ10ヒートに分けたりします。要するにヒートとは踊るグループの順番です。

たとえば審査員が5人いたとします。
審査員は各々5点ずつもっていて、第1ヒートが始まると、10組の中から5組に1点ずつ付けます。(チェックするといいます)
審査員が5人ですので最大5点が入ります。もちろん1点や2点の人もいますね。
これを10ヒート分繰り返します。

さらにこれに4~5種目踊る総合戦の場合は、全部の種目を同じように繰り返します。
そして、各々のカップルのすべての種目の点を合計します。
最後は、その合計点が多いカップルから順に、およそ2/3から1/2が次の第2次予選に上がれるというわけです。

チェック表
(こんな紙が会場に張り出されます↑)

最初の予選で、半分近くの選手が終わりになってしまうのですから、非常に競争は激しいです。
100組が出場しても、表彰されるのは上位6組だけですので、その競争率の高さは半端じゃありません。

ちなみに、作中の話数は、「Heat8」 などとなっています。気が付きましたか??

ポスチャー(ポイズ)、ムーブメント、ミュージック

競技会で、審査される点はどのような部分なのでしょうか?
フィギュアスケートなどは、すべての技が点数化されていますが、我々のボールルームは点数という概念は今のところあまりありません(一部の競技会では試行されていますが)
審査員がほかのカップルと比べて、チェックが入るか入らないか、オールorナッシングだけです。

その内容は、大きく分けると

  • ポスチャー(シルエット)
  • ムーブメント
  • ミュージック

です。
他にも、表現力やスピード感などもありますが、特に上の3点は重要視されます。

●ポスチャー
特に初心者のうちは、ポスチャー(姿勢)が重要視されます。
スタンダードでは背筋を伸ばして、びしっとホールド(腕)を横に張ったまま動ける人が評価されます。
自由に動けるラテンでも、首を伸ばして、背筋が伸びている状態で踊ることが望ましいです。
見た目は簡単そうですが、とても難しいです。

サークルJの初心者講座でも、このホールド・姿勢の維持は口を酸っぱくして注意していますが、きれいに出来るようになるまではかなりの時間がかかります。

●ムーブメント
ムーブメントは、いかに滑らかに動けるか、いかに移動距離がでているか、いかにボディアクションで踊れているか、などといったことが重要です。

スタンダードの場合は姿勢を崩すことはできないので、動きのなめらかさや移動量などが重要になってきます。
ラテンの場合はある程度姿勢を崩したり、カップルが組まない状態で踊っても良いのですが、やはり移動の仕方やアクションなどが重要になってきます。

ダンスを習った事のない人には、なかなか区別がつかない部分かもしれません。
良い動き悪い動きというのは、自分がよく分かっていないと区別がつきにくいものです。

●音楽
そして、さいごは音楽。
どれだけ音楽に正確におどっているか、が重要です。
社交ダンス、競技ダンスは、メロディーでは踊りません。
毎回違う曲がかかるのでメロディーに合わせるのではなく、リズムが正確に取れるかどうかがまず重要です。
さらに上達すると、同じリズムの取り方でも、違った表現をして個性を出したりしていきます。ここまで出来ると、もう上級者ですね。

以上の3点を中心に審査員は審査をしているのです。

ちなみに、作中でシルエットという言葉が使われていましたが、それは学連用語(学生たちがよく使う和製ダンス用語)で、正確なダンス用語としてはポスチャーという言葉のはずです。
たぶん外国では通用しない言葉だと思います・・・

仙石カップルの試合出場<後楽園ホール> 

※2013/10/7 追記

仙石カップルの踊る姿が初登場の東京ダンスグランプリ(実際にある競技会です)
実はこの大会の会場、<後楽園ホール>は、実は色々なことに使用されています。

笑点、プロレス、格闘技、ボクシングなどの聖地とされていますが、競技ダンスの大会も頻繁に行われているんです。
試合シーズンであれば、月に1~2回ぐらいは開催されていると思います。

東京ドームの周辺に、大きなキャリーバッグを転がしながら、変な頭(やたらと整った髪型でカチカチに固めてる)をした人たちがいたら、「あ~あれが競技ダンサーなんだな~」と思ってください(笑)

作中の様子は会場の雰囲気そのままで、非常に観客と選手の距離が近い会場です。
フロア周りの雛壇の席であれば、選手がおこす風や、飛び散る汗^^を間近に感じることができます。(日本武道館で行われるような大きな大会では、選手は豆粒のようにしか見えません)
会場自体が狭いため、選手は通路にあふれて着替えをしたり化粧をしたりしているぐらいです。(あまり、見せるべきものではありませんが、、、)

入場料も、3000~7000円ぐらいと比較的リーズナブルに入れますので、ぜひ一度見に来てほしいと思います。
目の前でのプロのダンスは、迫力が全然違いますよ。

入場券の購入は、お近くのJBDF関連のダンス教室が一番早いと思います。
もしくは、こちらのJBDF東部総局に問い合わせてみてください。

関東以外のJBDF競技会、また他団体(JDC、JCF)の競技会は、各団体のHPより問い合わせが出来ると思います。

クラス(昇級、降級)について

※2013/10/7 追記

18話に、「仙石カップルが去年の試合に出そびれて、今年はB級になってしまった」との台詞があります。

アマチュア・プロの競技選手は、全員クラスを持っています。
競技会を主催しているダンス団体は大きく4つぐらいあるのですが、それぞれにクラスがあり、互換があったり、別個だったりして非常に複雑です。

大まかに説明すると、

  1. ノービス級
  2. E・F・G級(=社会人クラス1~3級)
  3. D級  (数百カップル)
  4. C級  (200カップル)
  5. B級  (50名カップル)
  6. A級  (数十カップル)
  7. SA級  (1カップル)
    といった感じになっています。(SA級が最上位クラス)
    基本的に上位クラスになるほど人数が少なくなります。

アマチュア、プロでそれぞれ別にクラスがあり、さらに複数の団体ごとにクラスがあります。
団体の人数やレベルの差も随分あるので、クラスの価値は一概には言えませんが、SA級というのは、団体に1名いるかいないかぐらいの、とても権威のあるクラスになります。

このクラスは、大会で優秀な成績を収めることによって上昇していきます。

何もクラスを持っていない人は、まずノービス級にチャレンジします。
ここでは、上位約20%程度の成績を収めた人が、G級に昇級できます。
EFG級(もしくは社会人1~10級)あたりの出場人数は、非常に少ないので、難易度はそんなに高くありません。
昔、テレビ番組のウッチャンナンチャン芸能人社交ダンス部で、「1級にチャレンジ!」とやっていましたが、実は全体のレベルからすると、1級というのはたいしたレベルではないのです^^

D級あたりから、人数が増え、非常に厳しくなってきます。
たとえば、JBDF東部アマチュアD級スタンダードの試合などは、300カップルを超えることが珍しくありません。
ここで、C級に昇級するためには、決勝戦6カップル以内に入賞したり、準決勝12カップル以内に2回(同一年度内)入賞する必要があります。(300カップルを超えた場合は準決勝1回でも良いようですね)

倍率50倍、もしくは倍率25倍を2回、、、とてつもない競争です。

さらにC級戦になると、そのD級を勝ち抜いてきた人たちが出ているので、もっとレベルが高くなります。
C級、B級、A級とレベルはどんどん高くなってきます。

さらにアマチュアとは別にプロのクラスがあります。
これも一概には言えませんが、JBDFであれば、アマチュアのクラスから2ランク下げて、プロのクラスに適応されます。
要するに、アマチュアA級は、プロに転向した際に、プロC級からスタートすることができます。

なんという果てしないヒエラルキーでしょうか。
さらにその日本のプロのトップクラスの選手でも、世界の大会では、スタンダードでベスト24程度、ラテンに至ってはベスト48ぐらいが精いっぱいなのです。

また、持ちクラスの試合などにおいて、一定以上の成績を年度内に収められないと、降級してしまいます。
たとえば、A級選手では、年間に準決勝以上を3回、C級選手では1次予選突破を2回以上、などと規定が決まっております。
規定を満たせなかった場合は、一つクラスが下がってしまいます。

さて、前置きが長くなりましたが、仙石カップルは作中ではどのようになっているのでしょうか?
1巻の様子から、アマチュアの両部門チャンピオンからターンプロして、現在はプロラテン部門のチャンピオン(全日本?)。
プロスタンダードはAクラスだったのが、去年の試合に出なかったので規定以上の成績を残せず、Bクラスに降級してしまったようですね(笑)

作中に出てくる<東京ダンスグランプリ>という大会は、いわゆるA級戦といわれる、A・B級クラスの選手が出てくるハイレベル競技会です。
そこであっさりと優勝をしているので、仙石カップルのレベルは日本トップクラスというのが裏付けられますね。

お見合い

「ボールルームへようこそ」の中にもたびたび出てくる「お見合い」という言葉。
社交ダンスの世界を知らない人には、お見合い!?なんじゃそりゃ?と言う感じかもしれません。

社交ダンスでは踊るのに相手が必要です。
特に当作品のように競技ダンスの世界では相手があってのダンスなので、特定のパートナーを決めて練習して大会に出るのが普通になります。
(当サークルJの様に、サークルなどでの活動の場合は、1曲ごとに相手をチェンジしたりして練習していきます)

そして、その相手を見つけるために「お見合い」をするのですね。
お見合い相手を探す方法はいろいろあります。

  1. ダンス雑誌に募集掲載する
  2. 知り合いに紹介してもらう
  3. インターネット上の募集サイトなどに掲載する

といった方法があります。
昔は、インターネットなどなかったので募集するには雑誌などしかなく、投函してから決まるまですごく時間が必要でした。
しかし、最近はネットで募集をして次の日に会って、即決まるといったことも珍しい事ではありません。

ただ、インターネットですので、不特定多数の人が声をかけてきます。
私も使っていますが、本当にいろんな人がいます。
必要以上に怖がる必要はありませんが、上手く使いたいところですね。

ちなみに、お見合いの中身はどうなのかと言えば、作中5巻の番場さんのお見合いのように、お互いに実際に会ってみて踊ってみるのが中心となります。

お互いのダンスの相性やレベル、また方向性などを話しながら、一緒の踊っていけそうかを確認する感じですね。
上手く行けば、ペアを結成して競技会などに向けて練習して行く形になります。

多々良君のパートナーは果たしてどういう形で見つかるのでしょうか??
楽しみですね。

17話 花岡さんとの練習の中の、謎の一コマ

画像の説明
この一コマが気になって仕方がありません。

触れた瞬間に、しずくちゃんは一体何を感じたのでしょうか?

「この人といつか組むことになる予感?」
「多々良君との相性の悪さ?」

一体なんなんでしょうか?
きっとこれが、ずっと先の伏線になると思うのですが、、、
みなさんはどう感じましたか?

衣装

競技ダンスの世界では、大会に出場するときにドレスや燕尾服を着た正装(競技用正装)をします。

実はこの衣装が中々高価なので大変なのです。
女性用のスタンダード用ドレスだと、安いので10万から50万ぐらいまでします。
(昔は100万近くしたときもありました)
燕尾服も10~30万ぐらいします。

プロの選手の場合はオーダーで作成することもあり、どうしても値段が張ってしまいます。

ドレスにはスワロフスキーで有名なダイヤストーンなどを大量に貼り付けて、キラキラと輝く美しい仕上がりにします。
まあこのスワロフスキーは中々高級品なので・・・一つ30円ぐらいするのもありますから。

最近は、中古ドレスの売買サイトや、海外の製品を安く仕入れているサイト、セミオーダーで作る海外製などもあり、随分と値段が下がってきました。
競技選手にとっては歓迎する状況になっていると思います。

やはり、社交ダンス・競技ダンスのすそ野を広げるためには、それなりの費用で出来るものが理想でしょう。

髪上げ(髪型)

競技ダンサーのヘアスタイルは、、、はっきり言って変です(笑)

たまに駅などで見たことありませんか?

ガチガチに固めたリーゼントみたいな男性と、ピタッと髪の毛を抑えつけて何かモンブランの様な形をしている女性のヘアスタイル。
電車に乗っていると、とても見られますね。チラ見されます(笑)

この様なヘアスタイルが、競技ダンサーの標準です。
慣れていないととても変ですよね。
基本的に、緩いヘアースタイルは使いません。
なぜなのかは、はっきりとはわかりませんが、端正で上品なダンスというのが根本にある為ではないかと思います。
画像の説明
作中の登場人物も、大会になると変な頭になっているのがわかると思います。
作者も、ヘアスタイルでの描き分けができなくなるので大変だろうなあ、と思ってみています。

街中で、こんな頭をした人を見かけたら、あ~競技ダンスの大会に出場してきたんだなあ、と生暖かい目で見守ってあげてください。

ステップ

※2014/4/24 追記

社交ダンスには様々なステップが出てきます。
特に上級者はバリエーションと言って、ステップを自由に作ることが出来ます。
競技会においても、上級クラスでは必ずバリエーションのステップを組んできます。

自由に作れると言っても、組んで踊るスタンダードでは、おのずとステップの種類が限られてきてしまうのですが、二人が自由に踊れるラテンでは、ステップが数えきれないほどあります。

特にここ20年ぐらいの競技ダンスの発展は目覚ましく、すでに20年前のダンスとは別物になっており、ステップもより複雑でより早くパワフルに、となっています。
参考までに
60年代のボールルームダンス競技会

"2014年の世界チャンピオン"

また、社交ダンスでは基礎的なステップ<ベーシックステップ>は教科書によって定められており、角度、回転量、方向、上下動や手や足の使い方まで細かく決められています。
我々、ダンス教師もこの教科書を読んでステップの勉強をします。

多々良君が最初に習ったステップは以下のステップですね。

  1. ナチュラルスピンターン
  2. リバースターンの4~6歩
  3. ホイスク
  4. シャッセ フロム P.P.

実際の動画はこのような感じになります。

サークルJでも、ワルツを習うときはこのステップを覚えていきます。

リードとフォロー

※2014/4/24 追記

6巻になると、多々良君がひたすらリードとフォローについて悩んでいます。
ずばりリードとフォローとはなんでしょうか?

社交ダンスでは、踊る際に男性がリーダーと定められています。
そして女性はフォローをします。
具体的にリードとは、次のステップを決めてそれを女性に伝えたり、方向を決めたり、動きの大きさを決めたりすることです。

二人がバラバラの事を考えては一緒に踊ることが出来ないので、リーダーは男性と決められているんですね。女性はリードを感じ取り、男性に合わせて踊ります(フォロー)。

日本人的に考えると、何となくリードしている男性が上位で、フォローする女性が下に見られるようなイメージがありますが、西洋的な考えでは、お姫様をエスコートする男性がリーダーの役割ですね。

多々良君は物凄い敏感なようで、相手の動きをものすごく感じ取る力が強いようです。
ダンスを始めたばかりの多々良君が、上級パートナーと合わせて踊れて、そして大会で結果が残せたのも、その特異な力のおかげでしょう。

しかし6巻では、ひたすらリードについて悩んでいます。
ある競技カップルのリードを感じて、「この人のリードにはあこがれない・・」と感じてしまっています。
果たしてリードとはなんなのでしょう?

実際にダンスをやってみるとリードとは物凄い難しいものです。
口で伝えずに、次のステップを感じさせるというのは本当に至難の業です。
しかし、上手なリードがあると女性はステップを知らなくても踊れてしまいます。
プロの先生ともなると、天国にも上る気持ちで踊れる、と女性は言います^^

おそらく多々良君は、リードの質について悩んでいるのでしょう。

  • 自分の踊りを見せるのが中心の、相手を上から支配するようなリード
  • 相手を感じ取り、相手を踊らせるリード

こんな違いに悩んでいるのではないかと思います。
この辺はダンサーのスタイルによっても随分違うと思います。
男性の踊りが中心のカップル、女性を踊らせるカップル、お互いをうまく踊らせるカップル。
理想は、最後のカップルでしょうか。

正直、競技会においては、特に予選のうちは男性の力量が非常に問われます。
男性が踊れない(リード出来ない)カップルは、女性が上手でも早いうちに姿を消してしまうでしょう。
社交ダンスにおいて男性の力量は非常に重要です。

しかし、女性の力量が問われないかと言うと、決してそんなことはありません。
上手な女性、とくにフォローがしっかりできる女性の場合は二人の一体感がとてもよく見えます。
そして男性が自由に踊ることが出来ますので、男性の実力が伸びます。
二人の踊りがかみ合っていると、相乗効果で良い踊りになってくるわけです。
最終的には男女両方の力量が必要なのですね。

話しが脱線しました。
リードとフォローは、大変難しいものです。
それについての悩みは、ダンサーの永遠のテーマと言っていいほどで、カップルの喧嘩や解消の原因も、多くはこれにあったります。

作者は、このペアダンサーのもやもやした気持ちを、唸るぐらい上手く書いています。
おそらく、競技ダンス経験者であれば、多々良君や千夏ちゃんのやりとりは、思わず「あるある!!」とうなづいてしまうのではないでしょうか?

リードとフォローは技術で身に付けることが出来ますが、一朝一夕にはできず、大変に時間が必要です。
そうですね、毎週かなりの時間をダンスに費やしても数年は必要でしょう。
私もかなりリードの練習は積んできたつもりですが、まだまだその底がわかりません。

多々良君のスーパーリードは、いったいどのようになっていくのでしょう?

ダンス団体

マニアックネタ

他にも、この漫画で分からないことがあれば聞いてみてください。
わかる範囲でお答えます^^

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