先日、池袋の練習場アカデミーホールが来年の3月で閉まることが告知されました。

アカデミーホールは人がたくさん来ているし、なんで閉めるのかなあと思っていたのですが、いろいろ聞いてみるとやはり来場数の減少がかなりあるそうです。

言われてみると、9時過ぎるとフロアはガラガラ、、
以前は土曜、日曜日は踊る場所もないぐらい混んでいたのが、がらーんとしています。

ふむ、、、これは本気でダンス界まずいんじゃないでしょうか?

いままで減っている減っているとは言われていましたが、ここまで実感を持って減っているのは初めてに思います。しかもこれが池袋だけでなく、浜松町のシーバンスなども同じように減少傾向との話。
富士学院はあまり言ってないのでわかりませんが、以前よりすいているとの話も聞きました。

練習場に来る人は基本的に競技ダンサーなので、ダンス人口に直結するとは思えませんが、競技人口がわかれば統計の一つとなるでしょう。

さて、どうやって調べればいいものか、、
社交ダンス界にはまともな統計といったものやデータといったものがありません。
困りました。

なので競技会の出場人数を調べてみましょう。
毎年同じ時期の同じ大会の出場人数がわかれば一つの目安になるかと思います。

ただ、プロの場合は団体が多数あったり、人数の増減と比例すると思われる適当な大会がみあたらないので、まずは学生競技ダンス、いわゆる学連から調べてみることにしました。

競技会によって、制限があったり、出場枠があったりして正確な統計がとりにくいのですが、新入生の数は学生競技ダンスをしている人の人数に基本的に比例しているはずです。

なのでここは1年生の大会に絞って数えたいと思います。
サンプルは、松前杯。新人学生の一番大きな試合(ほぼすべての大学が参加)、かつほぼ最初のデビュー戦です。この人数によって、関東の学生ダンス人口の大まかな傾向がわかるはずです。

どうやら昔のデーターがないようなので、2002年からになります。
(たしか以前のデーターは消失したとか聞いた気がします)

松前杯Jr
年度 カップル数(約)
2003 220
2004 220
2005 220
2006 240
2007 不明
2008 200
2009 不明
2010 150
2011 150
2012 160

なんと!!
減りすぎです。最盛期の2006年あたりから急落して、2011~12年には30~40%減です。
減ったとは聞いていましたが、ここまでとは、、、

この数値は、1年生の学生数に確実に比例しています。
それはすなわち、学生競技ダンスをしている人の人数に比例します。
社交ダンス界の一部のダンス人口が、5年程度で30%減少している、という数値が見て取れます。

学生の中では社交ダンスだけではなく、部活やサークルをやっている人が減少傾向との話も聞きます。仕送りが減ってバイトの時間を増やさないといけない(仕送り額減も統計で出ています)、就活のためにボランティアをしたり、資格を取ったりしないといけない、奨学金を払うためにバイトをしないといけない、学校の成績が就職に響くので勉強をしないといけない。

要するに部活やサークルをやっている時間やお金がない、という現状があるようです。
確かに、大学は遊びに行くところで勉強するのは当たり前のことなのですが、、大学がちょっと就職予備校化しているようにみえる状況は良いのかな、と思うところもあります。

そして実はこの30~40%減という数字が、ここ最近社交ダンス界隈で聞く数字なんです。
プロの選手の人数であったり、練習場の売り上げであったり・・

ダンス関係者さんたち、この数字をよく見てください。
社交ダンス界の人数減少は確実に出ています。
たとえ減っているんだ!といっても、ちゃんとした数字で話さなければ、説得力はありません!

5年で30~40%減少、というとても大きな数値が見えてきました。

次回に続きます。

投稿者プロフィール

滝川 洋信
滝川 洋信
大学生の時に社交ダンス部(競技ダンス部)で社交ダンスを始めました。社交ダンス講師歴20年、教えてきた生徒の数は1500名を超えました。
現在、池袋と川口で社交ダンス教室を運営し、若者向け社交ダンス<ダンスサークルJ>や<ダンスサークルアクト>を開催しています。
合同会社タキガワダンススクール代表。

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